今もなお進化し続ける脱毛の歴史と最新技術

毎日ムダ毛の自己処理に煩わされている人にとって体毛は邪魔な存在でしかありませんが、それは人類の歴史において大多数の人が感じてきた共通の思いでもあります。同じようにムダ毛に悩まされてきた人々は有史以来さまざまな脱毛方法を考案し、技術改良を重ねてきました。意外に古い歴史を持つ脱毛について各手法ごとの歴史を振り返るとともに、レーザー脱毛や光脱毛など現在の最新技術も紹介します。

 

機械を使わない脱毛の歴史

現在の脱毛は機械を使った脱毛が主流ですが、さまざまな道具を使った非機械的な脱毛や除毛は古くから行われていました。刃物のように先端を鋭く加工した石器や貝殻をカミソリのように使ってムダ毛を取り除く方法は、有史以前の2万年前から始まったと言われています。
古代文明が花開いた紀元前4世紀頃には、地中海沿岸地方やオリエント地方で硫黄やでんぷんなどを含む脱毛剤が使われていた事実が文献に記載されています。カミソリやピンセット・毛抜きを使った脱毛方法も、紀元前には古代エジプトやメソポタミアで行われていました。現在でもブラジリアンワックスなどの形で行われているワックス脱毛は、伝説の美女として名高いクレオパトラの時代から砂糖と蜂蜜を練ったものが使用されていたと推定されています。
日本では平安時代の貴族でハマグリの貝殻を使用し、額の生え際の毛を抜いていたとされるのが脱毛に関する最も古い記録の例です。江戸時代になると軽石や貝・カミソリなどを使った脱毛が盛んになり、女性だけでなく男性の間でも流行しました。

 

針脱毛の歴史

19世紀になると機械を使った脱毛方法が考案されるようになり、脱毛技術もそれ以降急速に進化するようになります。1875年に逆さまつげの治療法として開発された電気分解法を脱毛に応用したのが、現在に至る針脱毛の始まりでした。電気分解法は毛穴に差し込んだ針に電流を流して組織液を電気分解し、発毛組織を破壊するやり方です。
20世紀に入ると高周波電流を流して発毛組織を加熱・凝固させる高周波脱毛法が開発され、処理時間が格段に速くなりました。1948年には電気分解法と高周波脱毛法を組み合わせた脱毛の手法が考案され、ブレンド式脱毛器として1970年代以降に日本にも輸入されています。
現在でも美容クリニックで行われているニードル脱毛はこのブレンド脱毛に基き、絶縁針を使用してやけどを防ぐように改良した手法です。ニードル脱毛は強い痛みを伴う点がデメリットではありますが、永久脱毛の効果は最も高いと言われています。

 

レーザー脱毛の歴史

クリニックで受けられる医療脱毛で現在の主流となっているレーザー脱毛は、1996年に開発されたレーザー装置に始まります。この装置は1983年に発表された選択的光熱治療の理論に基づき、レーザーを使用したアザの治療を脱毛に応用する形で開発されました。日本でも1997年にレーザー脱毛器の輸入が始まると、以後は脱毛の主流が電気脱毛からレーザー脱毛へと移行していったのです。
当初のレーザー脱毛機は波長の短いルビーレーザーを使用していたため、肌のメラニン色素が薄い白人にのみ適用可能でした。メラニン色素の濃い日本人にはやけどが生じるため使えませんでしたが、波長が長いアレキサンドライトレーザーを使う脱毛機が開発され、日本人にも適用可能となったのです。
現在では色黒の人にも使用できるYAGレーザー型や、日焼けした肌でも脱毛できるダイオードレーザー型脱毛機の導入例が増えています。従来のレーザー脱毛はある程度の痛みを伴うのが一般的でしたが、最新の蓄熱式レーザー脱毛器は低出力のレーザー光を連続的に照射させることで、痛みの少ない医療脱毛が可能になりました。

 

光脱毛の歴史

かつては医師のいない脱毛サロンでもレーザー脱毛が行われていましたが、レーザー脱毛は医療行為だけに法的な問題がありました。現在の脱毛サロンで主流となっている光脱毛は、2001年の厚生労働省による通達を受けてサロン脱毛の施術が合法的となるように開発されてきた経緯を持ちます。
光脱毛はメラニン色素に反応する光を広範囲に照射させることで毛根にダメージを与え、レーザーを使わずに脱毛を促す手法です。光脱毛は医療行為に該当しないため医師のいない脱毛サロンでも扱うことが可能で、低価格を売りに脱毛市場の急速な拡大に貢献してきました。
光脱毛で最も古い歴史を持つIPL方式は1998年に日本で初めて紹介された技術で、現在でも多くの脱毛サロンが採用しています。脱毛箇所に制毛成分を含むジェルを塗った上で、特殊な光を当てて脱毛を行うSSC方式を採用するサロンも増えています。皮膚の浅い領域に低温の光を照射させて発毛因子を抑制するハイパースキン脱毛や、ほぼ無痛で受けられる蓄熱式のSHR脱毛など、光脱毛は最新技術の開発が最も活発な分野です。

 

まとめ

脱毛の歴史は刃物や脱毛剤を使ってムダ毛を物理的に除去する方法から、電気や光の原理を使ってムダ毛を生えなくする方法へと進化してきました。カミソリやワックスによる脱毛は現在でも自己処理の方法として使われていますが、それらの脱毛効果は限定的です。長期的な脱毛効果を実感できるという点では、現在も進化を続けるレーザー脱毛と光脱毛が2大脱毛技術だと言えます。

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